1
「実践eコマース論」が含まれるeコマース講座の目標として、「CIOを育成すること」があるのだけど、IT知識とともに経営者感覚が必要なCIOになるための知識や考え方を、まだ社会に出た経験のない学部の学生にどうやって教えればよいだろうか?と以前は若干あきれていた面もあるのだが、最近思い直すようになってきた。
というのは、たとえば企業で勤務して10年~15年というキャリアを積んでいても、「この人とは経営の話はできないし、したくもならない」という人が結構たくさんいるということ。たぶん彼らはもっと年をとっても経験を積んでも、僕と経営の話をすることはないだろう。一方で学生であったり大学の先生であったり、実務経験がなくとも経営センスをビシビシ感じる話ができる人もいる。つまり、「経営者感覚」とか「経営者としてのノウハウ」というのは、大組織で何年、十何年ものOJTを積み上げていって免許皆伝するものではなく、そのように思っていたのは大企業オンリーのプロトコールであり、もっとはっきりと言えば「錯覚」なんだということ。「IT知識」が12~13歳でトップエンジニア顔負けになれるように、経営者としても年齢に関係なくスキルを磨くことはできるのではないかと思うようになった。 そう思うと「CIO育成教育」という発想があるのも納得できそう。ならば何を教えればよいか、あるいは学べばよいか。来年度の講義はそういう視点からもう一度考えてみようと思う。 ■
[PR]
▲
by haruyamablog
| 2004-10-17 19:01
HITaccessの学生有志が「.com マスター」を受験しようという話になっている。誤解のないように言うと、本件で僕は積極的に焚きつけた記憶はない(笑)。S君がCIECあたりで言い出したのがキッカケだと思うのだけれど。
それはそれとして応援しようと思っているのだけど、ついでに僕自身も受けてみようと思って参考書を買ってみた。ふ~ん、こういう内容なんだ。思っていたよりわるくない(笑)。 仕事に役にたちそうなのはダブルスターくらいからでしょ・・・と誰か言っていたけれど、eコマース講座の受講生はシングルを勉強するだけでもかなり違うはず、というかボキャブラリが標準化されて共有されているだけでも、その上に展開する情報交換がずいぶん違ってくると思う。 鹿児島大学あたりでは情報教育の一環にとりいれたとか。毎年情報が更新されて知識の優先度がいれかわる分野だから、大学の先生が教えるより割り切ったほうがよいかもね。少なくともアカデミックな匂いはもう少し先にいかないと見えてこないし、かといってこのあたりの技術知識が全くないとアカデミックな議論も宙に舞っちゃうから。 ■
[PR]
▲
by haruyamablog
| 2004-10-11 02:07
どこで聞いたのかなあ?ゲーム理論を勉強して余計になるほどと思った。
ある物事を決めたい、決めて欲しいと思うとき、そのプロセスよりも途中のアウトプットの作成に妙に力がこもってしまう。企画書だったり、プレゼンテーション資料だったり、モックアップだったり。絵とかデータとか感動的なコピーとかいろいろ工夫して時間をかけて・・・。 でも、むしろ「プロセスをどうデザインするか」のほうが、「決める」ことを目的とするならば重要なんだよね。誰にどういう順番で、何をしてもらうかを目的地までデザインする。もちろんこちらの思い通りなんて動いてくれない。何を考えるやらわからないし、そもそもプロセスの途中の人にとっては、流れてくるものにそれほど執着はない。だからけっこう面白半分に勝手なことも言うし、逆に「想い」がこもりすぎて重くなると、扱いに困っちゃってペンディングになることもある。だから、「分岐」次第でかなり意思決定は左右される。組織の中でも外でもそれは同じ。コンテンツに精魂込めて失敗するよりも、成功確率をたかめるために「分岐」に心を配ってプロセスが最適化できたほうが自分にも相手にもきっと効率がよい。 そういう意思決定のプロセスの糸を類推しながら、途中にどんな分岐を設けて、其々の人に何を判断してもらうか、そのためには何がコンテンツとして必要かetc.という視点が重要だなあって学んだのは銀行を辞めてからかもしれない。僕にもいつの間にかそういう姿勢・発想がそれなりに身についているのだろう。 でも、そうなってくると逆に時々ふと思うことがある。やっぱり「コンテンツ」そのものが持つ重力というか求心力ってあるよね。逆に絶対につながらない拒絶する力が働くときもあるはず。プロセスのデザインにばかり関心がいくのは、単に「ダンドリ上手の大人」になったってことなのかな?とはいえもういいオッサンだからいつまでも若者のようにもいられないし。 ■
[PR]
▲
by haruyamablog
| 2004-10-03 23:40
2000年ごろ、政府系のシンクタンクで電子商取引の研究員をしていた。
大学の先生やIT産業の経営者とかを委員とするいくつかの研究会の事務局をやっていたのだけど、その当時のインターネット業界や先進的な人たちのあいだでは「オープンネットワーク」という言葉がよく技術面やビジネス面の各所で結構あいまいに使われていて、僕はそれがよくわからなかったんだな。 そもそも「オープン」ってどういうことだ? どうも先生の中にも考えが二通りあるみたい。「自由参加」ということで、誰でも希望すれば参入できること。国領先生なんてその典型の学者だったと思う。例えば「こういうサービスをはじめるぞ!」って手を挙げれば、あとは市場が判断してくれて、劣悪なものはおのずと淘汰されるという考え。 もう一つは「(参入)ルールがオープン(=公開)である」という考え方。これまでの参入障壁って、基準が明確でなくて、何を満たせばよいかさっぱりわからなかったわけだけど、それに対して、あらかじめ参入ルールを明確化、公開して、それを満たせばネットワークに参加できるということ。 二つの考え方そのものは決して矛盾するものではないのだろうけど、どちらも「オープン」って言うから混乱してしまう。何かうまく分別する言葉があればよいのだけれど、まだ見つけ出せないでいる。 ■
[PR]
▲
by haruyamablog
| 2004-10-01 01:13
1 |
以前の記事
2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 04月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 03月 2004年 02月 フォロー中のブログ
春山祥一 プロフィール
銀行員を12年やって2002年にITベンチャーに転職しました。
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||
外部サイトRSS追加 |
||