前回の続き。
「資本主義2.0」っていう言い回しと、その視点が面白くて気に入ってしまった僕は、その後何人かの知人・友人に「ねえ、どう思います?面白いでしょ?」と話題に出している。 4月21日のブログで書いたアニメ業界の先輩と飲んだときには、 「アニメの分野も同じように解釈できそうだ」 という結論に至った(と僕は思う)。 先輩いわく、 ・アニメにおいて以前はプロとアマチュアの違いは、「お金を稼ぐか否か」であって、 僕たちアマチュアはプロよりも技術も志も高いという絶対的な自信があった。 #ここで先輩は自身をアマチュアに置いている ビジネス(=カネ)のために妥協するのがプロ ビジネスを度外視して作品性に妥協を許さないでいられるのがアマチュア ・そして、売上げや利益を上げることへの抵抗感を、アマチュアでいたいと思う人はもちろん、 会社を支えるためにもプロであるべきと考えてビジネスを意識する人もどちらも持っていた。 ビジネスを意識する側も、売るために何か強引なことをあえてする必要があって 何かやましい気持ちを抱えてやってきた。 そういう意味では、資本主義0.0と資本主義1.0は根は同じという言い方もできるかも。 ・ところがインターネットの威力というべきか、最近はロングテールにみられるように、 マイナーなコンテンツを見つけ出してくれるユーザが必ず相当数出てくるようになった。 たとえば押井ワールドを堪能したいというファンで、オールナイト上映は一杯になるし、 立喰師列伝のような映画もなんとか(トントンで)いけるかもしれない。 ・それに、たとえば「ほしのこえ」に代表される、ITを駆使して一人で何でもつくってしまう 新しいアニメ作品、作家に対して、過去の作品からモチーフや技術を安易に模倣して売れ 筋のアイテムを並べてつくる姿勢を僕らの仲間は批判するのだけど、「それでも面白いもの が、いいものができればいいじゃないか」というのはアリだと思う。 そこから出てくる作品が どれほど深いものになりうるかは今後を見なければわからないけれど。 ・最近の世代で、我々のようにビジネスに後ろめたい気持ちをもたない世代が増えてきたと いう意味では、資本主義2.0の感覚がでてきているといえるかもしれない。 ただ、資本主義2.0に対して肯定的な話だけでもなかった。これは僕自身が先輩と話していてなるほど気づいたのだけど、 「Web2.0、資本主義2.0(を進める人々)には体系や歴史の感覚が欠落している」 という批判はありうるかもしれない。欠落というより、「あえて無視している」「重要でなくなっている」という言い方が適切かな。ただそれが、自由度を増している面もあるのかも。 自分勝手な解釈になりつつあるのだけど、もう1回くらいこのテーマ書いてみよう。また明日。
by haruyamablog
| 2006-05-04 23:57
| 資本主義2.0
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春山祥一 プロフィール
銀行員を12年やって2002年にITベンチャーに転職しました。
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