千代田区は子育てによかったという話(その3)

千代田区が、「子育て」という視点からみると喜ばしいこと。

僕はしばらくして、実はこのあたりは「僻地」だということに気づいた。

平日は多数のビジネスマンが通うこの地域は、土日になるとガランとしてしまう。
息子と散歩をすると、通行人よりも警察官の数の方が多いくらい。
土日に歩いている人は、だいたいこの辺の住人。そのうち顔見知りになるし、
特に子供がいるとなおさら。

なんというか、空間の広がり、現役バリバリの多くの建造物や道路などのインフラに
対して、明らかに人が少ないのである。

「田舎」というよりも、まるで「離島」のような雰囲気だと思う。


そんなことをさらに実感したのは、息子の保育園の卒園式。
園長先生の挨拶で、

「千代田で生まれ、千代田で育ち、そしていつか千代田に尽くす人となるこの子供たちが・・・」

というくだりがあって、それをウンウンと頷きながら聞いている区役所や町内会の代表の方々をみながら、僕は横須賀や横浜のようなベッドタウンにはなかった、「郷土愛」のようなものを強く感じて、非常に意外な印象をうけた。

しばらく考えて、

 ああ、なるほどここは離島なんだ。ともすれば次第に人口が減り、過疎化が進む危機感を感じている地域なんだ。

と納得した。過疎化のプレッシャーは子供の数に反比例するだろうから、それを直接感じている保育園でコミュニティ意識を強調するのだろう。

ちなみに今年の千代田区在住の就学児童は、8つある小学校に対してわずか200人程度とか。そういえば参観日に「○○町内会では、今年小学校に入学するのはうちの子供だけで・・・」という話をしている親もいたっけ。

だから、住民がみんなで子供をとても大事にしている。

小さな子供がいるだけで、通行人よりも多いくらいの警察官はもちろん、近くの肉屋さんも魚屋さんも、消防署のおじさんも、温かく見守ってくれて、時には子供の顔や名前まで覚えてくれて声をかけてくれる。たとえば全国の市町村で展開されているはずのこども110番がこれほど質量ともに充実している地域は珍しいはず。とにかく道に面しているほとんどの店が、事務所が、「子供が駆け込んだら守る」と宣言している地域なのである。

僕にとっては、そんな離島的なコミュニティの求心力が、洗練された都会とクロスしているのが面白い。

これまで住んできた横須賀、横浜といったベッドタウンでの子供つながりのコミュニティは、どちらかというとストレートに「機能を実現する」ためのものだった。学童保育の場所をどう確保するかとか、保育園に対して保護者としてどう対応するかとか。

それに比べると、ここのコミュニティは意外なほど「地域」に求心力がある。その求心力の上に機能が乗っかっているところが、興味深く、心強いように思う。
#ちょっとほめすぎかな?
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by haruyamablog | 2006-09-16 22:48 | 子育て
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